進学、就職、転勤……。新しい生活のスタートに欠かせない「お部屋探し」。 希望に胸を膨らませて不動産屋に行ったものの、言われるがままに契約してしまい、住んでから「こんなはずじゃなかった!」と後悔するケースは後を絶ちません。
- 「部屋の中はおしゃれだけど、壁が薄くて隣の音が丸聞こえ…」
- 「家賃は安いけど、プロパンガス代が高すぎて生活が苦しい…」
そんな失敗を防ぐために、今回は「物件選びで見るべきポイント」を重要度順(★の数)でランキング化**しました。
さらに記事の後半では、「不動産屋の裏側の仕組み(ADや元付・客付)」についても解説します。これを知っているだけで、カモにされる確率はグッと下がりますよ!
【重要度 ★★★★★】これだけは外せない!「お金」と「立地」
まずは生活の土台となる部分です。ここがブレると生活そのものが破綻します。
家賃は「管理費込み」でチェック
「家賃6万円」と書いてあっても、管理費(共益費)が5,000円なら、毎月の支払いは6万5,000円です。 検索サイトでは必ず「管理費・共益費込み」の総額で予算内に収まっているか確認しましょう。無理のない範囲は「手取り月収の3分の1以下」が目安です。
初期費用の総額
家賃だけでなく、契約時に支払う「初期費用」も重要です。一般的に家賃の4.5〜5ヶ月分が相場と言われています。
- 敷金・礼金
- 仲介手数料
- 前家賃、保証会社利用料、火災保険料
これらがいくらかかるのか、事前に概算を把握しておきましょう。
駅からの「実際の」所要時間
物件情報の「徒歩10分」は「80m=1分」で計算された単純な数字。信号待ちや坂道は考慮されていません。
- 実際に歩いて何分かかるか?
- 夜道は暗くないか?
- 駅前にスーパーやドラッグストアはあるか?
これらはGoogleマップだけでなく、現地で自分の足を使って確認するのが確実です。
【重要度 ★★★★☆】快適な毎日のために!「構造」と「騒音」
住んでからのストレス原因No.1は「音」です。ここを軽視すると睡眠不足やトラブルの元になります。
防音性なら「RC造」一択
木造や鉄骨造(S造)は、隣の部屋の話し声や足音が聞こえやすい傾向にあります。 音を気にするなら、鉄筋コンクリート造(RC造) または 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) を強くおすすめします。家賃は少し上がりますが、プライバシーと静寂はお金で買う価値があります。
日当たりと窓の向き
- 南向き: 一日中明るい(家賃高め)
- 東向き: 朝日が入り気持ちいい(朝型の人向け)
- 西向き: 西日が強く夏は暑いが冬は暖かい
- 北向き: 暗めだが家賃は安い
内見時は、方角だけでなく「目の前に高い建物があって日差しを遮っていないか」を必ずチェックしてください。
【重要度 ★★★☆☆】生活の質を上げる「設備」
都市ガスかプロパンガスか?(超重要!)
これは見落としがちですが、プロパンガス(LPガス)の料金は都市ガスの2〜3倍になることも珍しくありません。 毎月の固定費を抑えたいなら、物件概要の設備欄で「都市ガス」と書かれている物件を選ぶのが鉄則です。
バス・トイレ別 & 室内洗濯機置き場
- バス・トイレ別: 友人を呼びやすい、リラックスできる。
- 室内洗濯機置き場: 洗濯機が痛まない、冬でも寒くない、防犯面でも安心。
これらは生活の質(QOL)に直結します。
【番外編】不動産屋が「おすすめ」する物件の正体
ここで少し、不動産業界の「裏側の仕組み」をお話しします。 不動産屋に行くと「この物件、すごくおすすめですよ!」と強くプッシュされることがありますが、実はそれ、「あなたにとって良い物件」ではなく、「不動産屋が儲かる物件」かもしれません。
「元付」と「客付」の違い
不動産屋には2つの立場があります。
- 元付業者(管理会社): 大家さんから直接依頼されている会社。大家さんの味方。
- 客付業者(仲介会社): 入居者に物件を紹介する会社。あなたの味方になるべき会社。
注意すべきは、元付業者が紹介する場合です。彼らは大家さんのために「早く空室を埋めたい」という使命があるため、他社の物件よりも自社の管理物件(自社物件)を優先的に勧めてくる傾向があります。
営業マンの目がくらむ「AD」の魔力
これが最大の裏話です。業界には「AD(広告宣伝費)」と呼ばれる、言わば「大家さんからのボーナス」が存在します。
- 物件A: 家賃7万円(ADなし)
- 物件B: 家賃7万円(AD 2ヶ月=成約すると家賃2ヶ月分が店に入る)
あなたが営業マンならどちらを売りますか? 当然、売上の大きい「物件B」ですよね。 「今日決めないと埋まっちゃいますよ」という言葉の裏には、「ADが高いから売りたい」という本音が隠れていることがあるのです。
【対策編】騙されない!良い不動産屋の見分け方と節約術
仕組みを知った上で、損をしないための対策です。
「おとり物件」に釣られない
ネットで相場より明らかに安すぎる物件は、客を店に呼ぶための架空の物件(おとり物件)の可能性があります。 店に行く前に「現地集合で内見できますか?」と聞いてみましょう。「一度来店してください」と頑なに言われたら要注意です。
「デメリット」を言う人を信じる
良い営業マンは「ここは日当たりが良いですが、大通り沿いなので少しうるさいかもしれません」と、マイナス面も正直に教えてくれます。ADの有無に関わらず、あなたの希望に寄り添ってくれる担当者を見つけましょう。
見積もりの「しれっと上乗せ」をカットする
初期費用の見積もりに、以下の項目が入っていませんか? これらは交渉次第で外せる「任意のオプション」であることが多いです。
- 室内消毒代(抗菌施工費): 1〜2万円。スプレーを撒くだけの場合が多い。「不要です」と伝えましょう。
- 24時間サポート費用: 火災保険の付帯サービスでカバーできることが多いです。
- 指定の火災保険: 不動産屋指定のものは割高。「自分で安い保険に入ります」と言えば、年間数千円〜1万円の節約になります。
【重要度 ★★☆☆☆】現地に行かないと分からない「共有部分」
内見時は部屋の中だけでなく「外」も見てください。
- ゴミ捨て場: 荒れていないか?(住人の民度がわかる)
- 集合ポスト: チラシが溢れていないか?(管理不足の証拠)
- 掲示板: 「騒音注意」の張り紙がないか?(トラブルの有無)
【重要度 ★☆☆☆☆】契約直前の「最終確認」
申し込み前に契約書(重要事項説明書)の特約をチェックします。
- 更新料: 2年ごとにいくらかかるか?
- 退去時の特約: クリーニング費用は借主負担か?
- 解約予告: 退去時は「1ヶ月前」予告か「2ヶ月前」予告か?
まとめ:知識武装をして、賢くお部屋探しを!
いかがでしたか? すべての条件を満たす100点の物件はなかなかありません。
- 絶対に譲れない条件(例:RC造、都市ガス)
- できれば欲しい条件(例:2階以上)
- 妥協できる条件(例:築年数、駅徒歩15分まで)
これらを整理し、業界の仕組みを頭に入れた上で不動産屋に行けば、きっと後悔しないお部屋に出会えるはずです。 あなたの新生活が素晴らしいものになりますように!

