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相続が起きたら、何をいつまでにやるか

ここからは、相続が起きたあとの話です。やることは多くありますが、動く順番は期限で決まっています。

急ぐ順に、7日、3か月、4か月、10か月、3年です。全体が見えるまで財産に手をつけないことが、いちばん大事です。理由は4章で説明します。

この記事でわかること
  1. 01
    動く順番は、期限で決まっている
  2. 02
    最初の2週間は、届出をして、口座の凍結に備える
  3. 03
    遺言書を探す。見つけても、勝手に開けない
  4. 04
    3か月以内に放棄を決め、4か月以内に所得税を申告する
  5. 05
    10か月以内に相続税を納め、3年以内に登記をする

1. 動く順番は、期限で決まっている

相続が起きたあとの期限

7日死亡届市区町村へ
3か月相続放棄家庭裁判所へ
4か月準確定申告亡くなった人の所得税
10か月相続税の申告と納税現金でまとめて
3年相続登記2024年4月から義務

期限は、亡くなったことを知った日から数えます。登記だけは、不動産を取得したと知った日からです。

手続きの全体は「相続手続きの全体像」(STEP 0〜9)にまとめています。この記事は、期限のあるものを順に押さえます。

2. 最初の2週間は、届出をして、口座の凍結に備える

まず、届出をする

罫線の届出用紙が重なり、上に印鑑がある線画

7日以内に死亡届を出し、年金と保険の届出もします

やり方死亡届は、7日以内に市区町村へ出します(戸籍法86条)。葬儀社が代わりに出すことが多い手続きです。

やり方年金、健康保険、介護保険は、受給の停止と資格喪失の届出をします。公共料金は、名義変更か解約です。

口座は、凍結される

通帳に金茶の南京錠がかかっている線画

銀行が知ると、口座は止まります

問題残高があっても、分け方が決まるまで自由には引き出せません。

解決相続人1人で引き出せる仮払いの制度があります(民法909条の2。1つの銀行につき150万円まで)。葬儀の費用は、ここでまかなえることが多いです。

くわしくは「口座が止まっても、150万円までは引き出せる」で説明しています。

3. 遺言書を探す。見つけても、勝手に開けない

分け方の前提になるので、早い段階で遺言書があるかを確かめます。

公正証書遺言なら、公証役場で見つかる

表紙のついた綴じ書類と印鑑の線画

公証役場で探せます

やり方最寄りの公証役場で検索できます(遺言検索)。

解決見つかれば、原則としてその内容で進みます。

自筆証書遺言は、まず保管先を確かめる

手書きの波線で埋まった便箋と万年筆の線画

法務局か自宅にあり、自宅で見つけたら開けません

やり方法務局の保管制度を使っていれば、法務局に照会します。

注意自宅で見つけた場合は、開封せずに家庭裁判所の検認を受けます(民法1004条)。

遺言書がなければ、相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で分け方を決めます。

4. 3か月以内に放棄を決め、4か月以内に所得税を申告する

3か月以内に、相続放棄を決める

借用書の束の手前で、手のひらをこちらに向けて止める手元の線画

全体が見えるまで、財産に手をつけません

やり方借金のほうが多いなどの場合は、家庭裁判所に申し立てて放棄できます。期限は、相続を知った日から3か月です(民法915条)。

注意財産を売ったり使ったりすると、相続を受け入れたとみなされ、放棄できなくなります(民法921条)。全体が見えてから、形見分けの範囲を超えて手をつけます。

4か月以内に、準確定申告をする

アパートの模型の横に、申告用紙と電卓がある線画

亡くなった人のその年の所得税を、相続人が代わりに申告します

やり方期限は、相続を知った日の翌日から4か月です(所得税法124条・125条)。

注意アパートがあれば、家賃収入の申告があります。青色申告を引き継ぐ届出にも、期限があります。

くわしくは「相続放棄は3か月以内。財産に手をつけると、できなくなる」「亡くなった人の所得税は、相続人が4か月以内に申告する」で説明しています。

5. 10か月以内に相続税を納め、3年以内に登記をする

10か月以内に、相続税を申告して納める

帯で束ねた紙幣の束と、その横の納付書の線画

話し合いがまとまらなくても、期限は延びません

やり方10か月までに、財産の評価、分け方の確定、申告書、納税のお金の用意まで終わらせます(相続税法27条・33条)。

解決分け方が決まらないときは、法定相続分で分けたと仮定して、いったん申告と納税をします。「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておくと、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を、分け方が決まったあとから使い直せます。

3年以内に、相続登記をする

家の模型の手前に、登記の書類がある線画

2024年4月から義務になり、放置すると過料の対象になります

やり方相続した不動産の名義変更は、取得を知った日から3年以内に申請します(不動産登記法76条の2)。

注意申請しないと、10万円以下の過料の対象です(同164条)。

くわしくは「相続した不動産の名義変更は、3年以内が義務」で説明しています。相続した不動産を売るところまで進むなら、「不動産売却の全体像」に続きます。売るときに相続税の一部を取得費に足せる特例(租税特別措置法39条)は、申告期限から3年以内の売却が条件です。

まとめ

要点

まず、今日できること

  1. 亡くなった日を起点に、3か月、4か月、10か月、3年の日付をカレンダーに書く
  2. 遺言書があるか、公証役場と法務局に照会する
  3. 借入金があるか、額はいくらかを、通帳と郵便物で確かめる(放棄の判断のため)

次に読む:7日・3か月・4か月・10か月の期限カレンダー/相続手続きの全体像

出典

※確認日:2026年9月2日。本記事は一般的な仕組みを説明するもので、個別の税務・法務相談ではありません。相続放棄・検認・遺産分割の争いは、弁護士・司法書士の領域です。期限が近い場合は、まず期限のある手続きから専門家へご相談ください。

公開 2026.08.04 / 更新 2026.09.07 相続対策 筆者:宍倉奎次郎(税理士・宅地建物取引士・大家)

この記事は 相続手続き STEP 2「遺言書を探す」 でも紹介しています。

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宍倉奎次郎
税理士・宅地建物取引士・大家
宍倉 奎次郎

税理士・宅地建物取引士。自身も賃貸物件を持つ大家の立場から、法人化・相続・不動産管理まわりの税務を、制度と判例にもとづいて解説しています。記事内の事例はすべて架空のモデルケースです。制度・税率・判例は年度で変わります。個別具体的な判断は、不動産税務に強い税理士へご確認ください。

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