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不動産はいくらで売れるか──成約価格・公的価格・査定、3方向からの相場の調べ方

公開 2026.08.07 不動産売却 筆者:宍倉奎次郎(税理士・宅地建物取引士・大家)

売ろうと思って最初にやることは、不動産会社に連絡することではありません。自分で相場の見当をつけておくことです。それがないと、出てきた査定額が高いのか安いのか判断できません。

相場は3方向から挟みます。実際に売れた価格、国が公表している価格、不動産会社の査定。この3つがそろって初めて、売り出す値段を自分で決められます。

※本記事の人物・金額はすべて架空のモデル事例です。一般的な仕組みを解説するもので、個別の税務・法務相談ではありません。

→ 全体の流れは 不動産売却の全体像。この記事は章1「いくらで売れるかを知る」の解説です。

この記事でわかること


1. 売り出し価格ではなく、成約価格を見る

不動産のポータルサイトに並んでいるのは、売り出し価格です。売主の希望額であって、その値段で売れた証拠ではありません。相場として見るべきなのは、実際に取引が成立した成約価格です。

調べる場所 わかること 費用
レインズ・マーケット・インフォメーション マンション・戸建ての成約価格(面積・築年・最寄駅つき) 無料
国土交通省 不動産情報ライブラリ 実際の取引価格。地図から地域を選んで見られる 無料
不動産ポータルサイト いま出ている売り出し価格(=上限の目安) 無料

成約価格は、同じ地域・同じくらいの面積・近い築年数で3〜5件そろえます。1件だけ見ると、事情のある取引に引っ張られます。

2. 手元の書類から逆算する

公的な価格からも見当がつきます。土地には、目的の違う価格が何種類かあり、おおよその関係がわかっているからです。

【モデル事例】 路線価が1㎡あたり16万円、土地が150㎡。16万円 ÷ 0.8 × 150㎡ = おおよそ3,000万円が土地の時価の目安になります。

これはあくまで机上の目安です。角地か、間口が狭いか、道路付けはどうかで実際の値段は動きます。それでも、桁を間違えないための物差しにはなります。→ 実家の土地は相続税でいくら?路線価方式と倍率方式の基本

3. 査定は3社以上に頼む

自分の見当ができたら、不動産会社に査定を頼みます。査定には2種類あります。

高い査定額を出した会社が、高く売ってくれる会社とは限りません。媒介契約をとるために高めの数字を出し、あとから値下げを提案されることがあります。査定書をもらったら、金額そのものより「なぜその額なのか」の根拠(比較した成約事例)を見ます。根拠を出せない査定は、参考になりません。

不動産売却前の準備──売却の流れ・媒介契約の選び方・仲介手数料の上限

4. 相場がわかると、税金の見積りもできる

相場を出す作業は、そのまま税金の準備になります。売却でかかる税金は、売った値段そのものではなくもうけ(譲渡所得)にかかるからです。

譲渡所得 = 売った金額 −(取得費譲渡費用

売れそうな金額の見当がついたら、買ったときの契約書を探します。取得費がわからないと、売った金額の5%しか引けず、税額が跳ね上がります。相場を調べるのと同じタイミングで、購入時の書類を探し始めてください。ここがいちばん取り返しのつかない場所です。

不動産売却の手取り計算──譲渡収入から税金まで電卓を叩く順に試算する

まとめ

→ 次に読む:不動産売却の譲渡所得税──税率が2倍変わる「5年」の判定(章2)


出典

※確認日:2026年8月7日。価格の水準関係は目安であり、個別の土地では差が出ます。売り出し価格の決定は不動産会社とご相談ください。

「不動産売却」の入口は2つあります

記事を読んでも判断に迷うときは、
個別にご相談いただけます。
宍倉奎次郎
税理士・宅地建物取引士・大家
宍倉 奎次郎

税理士・宅地建物取引士。自身も賃貸物件を持つ大家の立場から、法人化・相続・不動産管理まわりの税務を、制度と判例にもとづいて解説しています。記事内の事例はすべて架空のモデルケースです。制度・税率・判例は年度で変わります。個別具体的な判断は、不動産税務に強い税理士へご確認ください。

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